10月28日(土)、第5回の歴史文化教室が開催されました。今回は、親子で大洲市新谷地域をめぐる学習会です。児童10名、保護者6名、指導者7名が参加しました。
まず、新谷公民館において、自治会長さんから新谷地域に関わりの深い漫画家 松本零士氏に関する講話を聴きました。松本零士氏は、戦時中、母親の出身地である新谷に疎開をしており、自然豊かなこの地での豊かな経験が彼の漫画家人生の礎を築いたということです。児童にとってはあまり馴染みのない人物ではありますが、保護者にとっては興味深いエピソードがたくさんあり、うなずきながら聴講していました。
江戸時代、ここ新谷は新谷藩が治めていた場所であり、その史跡がいくつも残っています。その一つである新谷藩金蔵を訪ねました。白漆喰塗りの小ぶりな蔵ですが、新谷藩主・加藤家の「蛇の目紋」「上り藤紋」があしらわれています。
また、隣の池田貫兵衛邸は、明治時代にお茶や樟脳、木蝋等の貿易で財を成した池田貫兵衛の館です。郷土を大切にし、新谷銀行を創設したり、学校に多大な寄付をしたりして、人材育成に努めたそうです。
続いて、松本零士氏の壁画がある新谷小学校を訪れました。児童玄関の壁には大きな「銀河鉄道999」が描かれており、松本零士氏のサインも入れられていました。また、新谷小学校は新谷藩の陣屋跡地に建てられており、校内には当時評定所や謁見所として利用されていた麟鳳閣もあります。立派な書院造の部屋の中で、麟鳳閣や新谷藩の話を聞いたり、殿様に謁見する様子を再現したりして、楽しく学びました。
最後に、新谷藩主の菩提寺である大恩寺を訪れました。儒教に則った墓石が3基据えられた立派な墓地で、本日の学習に対するお礼の気持ちを込めて、手を合わせていました。
今回は親子活動として実施しましたが、子供たちはもちろん、保護者の皆さんも熱心に学習され、大洲の素晴らしい史跡を学んだよい一日となりました。