11月25日(土)、第6回目の自然科学教室が開催されました。今回の目的地は、標高533mの雲海展望台です。快晴の天気にも恵まれ、新谷小学校を出発して往復約16kmの道のりを元気に踏破しました。参加者は、児童8名、保護者5名、指導者8名の21名でした。
新谷小学校に集合した後、まずは校庭にある大洲市天然記念物ムクエノキを観察しました。樹勢に衰えがみられるものの、紫の実をたくさんつけていました。指導者から「これは鳥たちが好んで食べる実で、食べると甘くておいしいよ。」と話を聞き、子どもたちは恐る恐る口に入れてみると、なかなかの味に満足気でした。
いよいよ登山開始。学校西側の和霊神社へ。ここにはツブラジイの大木があります。うっそうと広がる社叢には、たくさんの小鳥たちのさえずりが響いていました。
社殿を抜け、起伏のある山道を進みます。しばらく行くと、塚穴古墳にたどり着きました。ここは、大洲市に唯一ほぼ完全な形で残る古墳で、7世紀頃造られた直径約10mの円墳です。石室などを観察していると、周囲に大きな穴が何か所も。これは、アナグマの巣穴だそうです。また、もう少し先からは、イノシシ除けの金網やぬた場があり、自然の豊かさを感じました。この日は天気も良く、気温も上昇したことからか、ニホンアマガエルや、ヤスデ、クロオオアリ、ザトウムシ、オオスズメバチ、トビ、アオサギ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、メジロ、ヤマガラ、エナガ、シジュウカラなどたくさんの生き物が姿を現してくれました。
道すがら、たくさんの植物について観察をしながら歩きました。シイの木の株立ち(二次林)やカジの木の表皮で和紙を漉いていたこと、フユイチゴなどを食べて味わったり、様々な植物の葉を揉んで香りを味わったりと、普段は知らずに通り過ぎていた植物たちの不思議さ、存在に改めて気付くことができました。
また、道端の露頭では、この地をつくっている泥質片岩や結晶片岩、緑色片岩など、地層に関して学びました。
およそ2時間半で展望台に着きました。ここからは、大洲盆地がきれいに見渡すことができます。しばしこの眺めを満喫した後、この盆地の成り立ちや、肱川の流路の変遷、そして今見頃になっている紅葉の仕組みについても学びました。
さんさんと照り付ける太陽のおかげで、ぽかぽかと暖かい日差しの中でおいしいお弁当をいただくことができました。ただ、今日は天気と時間の関係で雲海を見ることはできませんでした。条件がそろえば、写真のようなすばらしい雲海を見ることができます。ぜひ一度、見に来ていただきたいものです。
昼食後、休憩を取ってから下山をしました。ハードワークではありましたが、大洲のすばらしさに改めて気付くことができ、心いっぱいのよい学習ができたことでしょう。参加していただいたみなさん、本当にお疲れさまでした!