6月15日(土)、令和6年度の大洲歴史文化教室が開催されました。
まず、開講式を行いました。今年度の登録会員は45名で、昨年度よりも5名増えています。大洲市内のいろいろな学校の友達が集まって学ぶ機会です。各地の歴史や文化はもちろんのこと、仲間づくりも学んでほしいと思います。
さて、第1回目の教室は、大洲市肱南地区の歴史や文化を学ぶ活動です。心配されていた天気もちょうどよい曇り空で、熱中症の心配も下がりました。26名の参加者が博物館から一列になって、元気に大洲城下町を目指しました。
まず、江戸時代の町筋〈本町〉〈中町〉を通って、興禅寺に向かいました。ここは、大洲藩の教学に尽くした川田雄琴一家の墓があります。雄琴は藩校「止善書院明倫堂」の創設に尽力した人です。
続いて、盤泉荘(旧松井家住宅)に行きました。ここは、松井國五郎氏によって建設された別荘です。フィリピンで貿易会社や百貨店を経営し、富を築いた人物です。美しい肱川を眺める一等地の場所に、贅を尽くした設計や資材・調度品、建物の由来となった岩盤を掘って造った水道設備など、すばらしい建築物に子どもたちも驚いていました。
その後、臥龍山荘に向かいました。ここは、木蝋などの貿易で富を築いた河内寅次郎氏が築いた別荘です。国の重要文化財に指定されています。ここでは、2班に分かれて主屋の臥龍院と肱川沿いに建てられた不老庵を見学しました。特に不老庵では、肱川にせり出した懸け造りに驚き、恐る恐る縁側から肱川を覗きこんでいました。
最後に、大洲イノベーションセンターを訪れました。この場所は元銀行で、産業や社会の活性化に向けて昨年整備された施設です。ここでは、二つのテーマで話を聞きました。一つ目が、町の移り変わり。武家屋敷と町人町が発達した江戸時代から、この地にたくさんの製糸工場が造られ町が活気づいた明治・大正・昭和時代。しかし、近年では空き家が増え、町がすさんできた。そこで町の再開発として、昔の建築物のよさを残しながら観光化を進める取組でした。世界1位になった事実に、子どもたちは驚きを隠せませんでした。そして二つ目が、江戸時代から脈々と続く銘菓しぐれづくり。しぐれを味わいながらしぐれの由来や今後の和菓子づくりの展望を伺いました。
予定していた学習が濃い内容ばかりで、時間が足りない状況が続きましたが、子どもたちは熱心に学び、満足した様子で帰路につきました。